デジタルサイネージの役割や選ぶときのポイント

デジタルサイネージの役割は、案内・広告などの情報発信や空間の演出が主体です。店頭の看板や、施設の案内板に使われるのが一般的な活用例です。屋外なら昼間も鮮明なLEDビジョン、精彩な映像を表示するなら液晶ディスプレイという風に選びます。

情報発信のための媒体の1つに、デジタルサイネージが挙げられます。店頭や商業施設内、また駅や図書館といった公共施設内で見かけていて興味を持ち、導入を検討している事業主・担当者の方も多いことでしょう。ここではデジタルサイネージが持つ役割や活用事例、製品の選び方をはじめとした導入に役立つ知識を解説していきます。

デジタルサイネージの役割とは?

デジタルサイネージ

数あるデジタルサイネージの役割のうち、メインの1つとして挙げられるのが案内やお知らせといった情報の配信です。施設の改装工事や店舗の入れ替わり、臨時休業日といったイレギュラーな出来事が発生するたびにチラシやポスターを印刷・配布していたのでは労力や費用がかかります。しかしデジタルサイネージを利用することにより、臨時の情報発信をスムーズに行うことが可能です。セール情報やショーイベント開催の告知、会員カードの販促などにも役立ちます。また多言語に対応した案内コンテンツを作っておくことで、外国人観光客に対するアプローチも強化されます。 集客・販促といった、直接的なセールスへ繋げられることもデジタルサイネージに役割に挙げられるでしょう。たとえば商業施設に設置して、個別のテナントの情報を配信すれば顧客にアピールできて集客を促せます。個別の店舗に顧客が訪れて、回遊するごとに施設全体にもその集客率を波及できるという訳です。内部だけではなく外壁に設置すれば、通行人を引き込むことができます。 季節やイベントシーズンに見合った映像を流すことで、空間を演出できるのもデジタルサイネージの強みです。開催中のイベントに合っ た動画を流したり、マッチした風景や音声を流すのも効果的です。イベント会場を物理的に飾り付けるのは費用も時間もかかりますが、デジタルサイネージは手軽に映像を配信できてその場の演出が可能となります。

デジタルサイネージの活用事例

デジタルサイネージ

デジタルサイネージの活用事例として挙げられるのが、人通りの多い箇所に導入して広告を掲示する方法です。大通りに面した場所や、駅構内など大勢の人が行き来する場所に設置して広告を目にする機会を増やす仕組みです。ポスターや看板などの宣伝媒体が多い中での競争となりますが、デジタルサイネージは光と音を使った告知ができる分有利になります。 大型商業施設における店舗の案内板、公共施設における利用状況や連絡事項の配信といった活用方法も多いです。来訪者に対して情報配信がリアルタイムで行える上に、スムーズに情報共有できるのが強みと言えるでしょう。スーパーや商店では、金額の変更が容易となる電子POPとしての使い方も一般的となっています。変更した価格をわざわざ紙に印刷して、貼り直しに行く手間がかかりません。災害時のダイヤ変更や、避難誘導の情報発信にも使われています。 ホテルのロビーやイベント会場などで、その場の空間演出にデジタルサイネージが使われることもあります。美麗な画像や動画を表示して、意図した雰囲気を作り上げることができるからです。芸術性の高い空間を生み出したり、企業・ブランドの格式高いイメージを演出したりなど 幅広い利用方法があります。また社内・店舗内に設置して、癒し・リラックス効果のある映像を流すという活用例も挙げられます。

デジタルサイネージの活用メリット

デジタルサイネージ

デジタルサイネージを活用する上でのメリットの1つとして挙げられるのが、人の目をひくことです。動く映像や音声によって、注目を集めることができます。日光や照明に当たり続けることで、看板やポスターは色褪せたり劣化しますが、デジタルサイネージは長く美麗な映像・画像を保てます。ディスプレイの発色が良く、鮮明に映像や画像を表現できるのも利点です。印刷物とは異なり、広告が動くため表現の幅が広いのも魅力と言えるでしょう。 時間帯や必要性に応じて、発信する情報を変更できるのもメリットです。たとえば飲食店の看板にデジタルサイネージを用いた場合お昼にはランチメニューを、夜にはお酒をセットにした割引プランを表示するといった手法が使えます。天候や気温にマッチした情報を発信したり、緊急事態の連絡の配信も可能です。部屋の使用状況やスケジュールなど、刻一刻と変わる情報を発信するのも容易です。 手間やスペースの節約になる点も、デジタルサイネージのメリットとなります。夕方からタイムセールを行うスーパーに導入すれば、それまで個別に値段のPOPを貼り替えていた手間が省けます。複数のメニューを書いた看板を置いている場合、その分の余分 なスペースが必要となってしまいますがデジタルサイネージで二種類のメニューを切り替えて表示すればスペースの省略が可能です。

デジタルサイネージを選ぶときのポイント

デジタルサイネージ

デジタルサイネージを選ぶ際のポイントに、モニター画面の選別が挙げられます。代表的な種類としては液晶ディスプレイと、LEDビジョンの2種類が該当します。まず液晶ディスプレイは、解像度が高く美麗な映像・画像の表現が得意な点が特徴的です。4Kや8Kなど高解像度の映像を配信するのであれば、液晶ディスプレイを選んだ方が良いです。 もう一方のLEDビジョンは、輝度の高さが特徴として挙げられます。画面の美しさが魅力の液晶ディスプレイは輝度が600cdですが、LEDビジョンの場合は低くても1200cdで高ければ5500cdの製品があります。液晶と比べれば約2倍から、8?9倍の明るさがあると言って良いでしょう。また明るいだけでなく消費電力が低いことも、大きな魅力です。複数のモニターを使ったマルチ画面を使った場合、画面の縁が発生せずシームレスな映像が配信できるのも特徴です。 昼間は明るくなる屋外であれば、視認性を確保するためにLEDビジョンを採用すると良いでしょう。輝度が高いため、昼の明るい日光の下でも鮮やかに表示されます。高解像度の映像を流したり、ブランドや会社の印象づけを行う場所に設置するなら液晶ディスプレイが良いです。 なお価格で選ぶ場合、 120インチで費用が変わってくる点を覚えておきましょう。120インチ以下の場合は液晶ディスプレイが、120インチよりも大きいサイズの場合はLEDビジョンの方がお得になる傾向にあるからです。使用する用途や場所、種類・サイズや解像度なども併せて選ぶことが大切になります。

デジタルサイネージ導入における注意点

デジタルサイネージ

デジタルサイネージを導入する上で覚えておきたい注意点が、初期費用についてです。映像・画像を表示させるには、当然ながら電子機器を購入する必要があります。それなりに初期費用がかかるため、今後の利益の見込みと照らし合わせながら予算を組みましょう。加えて点検・メンテナンスといった、月々のランニングコストも計算に入れておく必要があります。 設置する場所やその環境によっては、工事が必要なケースがある点にも注意してください。屋外はもちろん施設内であっても、分電盤から配線を引っ張るなど追加の工事が必要なケースもあるため、導入の前に入念に設置企業の担当者と相談してから行うことが大切です。 導入すれば必ずしも集客率が上がるという訳ではない点にも、注意が必要です。確かに集客力の強いアイテムではあるものの、導入しただけでいきなり上昇するものでもありません。広告のコンテンツ内容や事業とのマッチング、ひいては店舗やサービスの見直しも必要な場合もあります。デジタルサイネージの導入をきっかけに、売上アップの施策を練る機会を得るという気持ちで臨むと良いです。 明確な運用イメージを持っていないと、ただ映像を垂れ流しにしている だけという状況になりかねない点にも気をつける必要があります。サイネージを導入した後はどんな映像・情報を発信して、それがどこの層にアピールすることに繋がるのかなど具体的に戦略を練っておくことが大事です。

広告や集客など宣伝利用はもちろん、情報案内やお知らせの発信などさまざまな用途に使えるのがデジタルサイネージのメリットです。映像と音によって人の注目を集めるサイネージを導入して、より効果的に企業や商品・サービスの魅力を伝えましょう。